相続の手続きは、財産の確定や相続人間での協議、大量の書類の作成など、とても面倒なものです。そのため、一旦完了している場合は、さらに手続きを増やしたくないと思うは当然のことです。

　特に、相続人がきっちりとした性格の方は、故人の財産を見落とすことなく手続きを完了したと思っていらっしゃいますから、初めは、私どもの話に耳を貸してくださいません。

　しかし現実には、無いと思っていた財産が存在し、放置されている現状をお知らせすると、調査に関心を持たれて積極的に協力していただけるようになります。そこで調べた結果、思ってもみなかった大金が手に入ったというご家族の事例を紹介します。

　そのお祖母さまは、淡路島で一人暮らし。その子ども、つまり依頼人のお父さまは他界しており、相続人は依頼人である兄と妹です。

　生前、幾度となく「私の財産は、すべてあなたたちのもの」といわれていた兄は、お祖母さまが亡くなった後、通帳など自宅から見つかったものを集めて相続手続きを行いました。日頃から離れて暮らしており、お祖母さまも、特別お金持ちに思えるような生活していなかったので、それほどの財産があるとは思わなかったのです。

　しかし、調べてみるとビックリすることが起こりました。

　まず、預金や株を合わせて１億７０００万円にもなる財産が発見されたのです。詳しく事情を調べてみると、お叔母さまの所有していた広大な土地は現在では公園となっており、その売却益を得たり、さらに投資を行っていたため、結果的に大きな財産になっていたのです。

　さらに、後から現金が残っていた預金口座も発見され、ご兄弟にとって、とても大きなお祖母さまからの贈り物になりました。

兵庫県・淡路市

被相続人：叔母

相続人：孫（２人）※父が死亡していたため

総額：約１億7000万円